車好きから見たランサーエボリューションの魅力

ランサーエボリューションの魅力

三菱が販売しているランサーエボリューションは現在の10代目モデルでやっとカタログモデルとなり、ディーラーに行けばいつでも購入することができるようになりましたが、先代エボ9までは、欲しいと思っても必ず買うことができるというものではありませんでした。

 

初代モデルであるエボ1の時代から大衆セダンであるランサーの特別モデルという形で販売されており、ほとんどのモデルが台数限定となっていたのです。

 

従って、その台数に達してしまった場合は、いくらお金を積んでも買うことができなかったのです。

 

そういった特別モデルというところもこの車の魅力の一つだったのですが、それ以外にもハイパワーエンジンの搭載や優れた走行性能、見た目のかっこよさなどたくさんいいところがあります。

 

しかし、車が好きな人間から見て一番の魅力となるのはその車を作る考え方ではないでしょうか。

 

エボシリーズは紛れもなく世界ラリー選手権で勝つために作られた車で、WRCに参戦するための条件となる販売台数を稼ぐためのモデルです。

 

いわゆるホロモゲーションモデルというもので、参戦する車が実際に規定台数を販売していなければならないのです。

 

そのためにはラリーマシンとほぼ同じような市販車両が必要となり、それがこのエボシリーズということになるのですが、その作り方が非常に魅力的なのです。

 

市販車両を使って行うモータースポーツでは見た目は市販車と同じボディを持ちながらエンジンやドライブトレーンは全く別物ということが多く、モータースポーツが好きな人間からすればそれがとてもすごいことに映るのです。

 

それをやってのけたのがこのエボシリーズで、初代モデルでは三菱の大衆車であるランサーをベースにしていたのですが、一番ハイパワーなエンジンでも1800ccターボの195psというのが一番パワフルなエンジンだったのです。

 

しかし、ランサーエボリューションでは、同じボディにオーバースペックともいえる2リッターターボの250psエンジンやフルタイム4WDシステムを搭載していたのです。

 

この「特別感」というのがこの車の一番いいところで、この特別感に惹かれた人が沢山いました。

 

このモデルは今でも現役のチューニングベースマシンとして使われており、それを目的とした方が今でも中古車販売店などで状態の良いものを探し続けているようです。

TC-SSTモデルの価値

三菱から現行モデルであるランサーエボリューションXを最後にランサーエボリューションシリーズの開発を終了するという発表がありました。

 

更に現行モデルの特徴であったツインクラッチシステムであるTC-SST搭載モデルの生産を近々終了することになり、マニュアルトランスミッションモデルだけの生産を続けるということになったのです。

 

ランサーエボリューションXはランサーエボリューションシリーズ初の量産モデルということで期待されていたのですが、性能云々を語る前にそもそもスポーツモデル自体に興味を持つ人間が少なくなってしまったことによって、販売台数が伸びない車となってしまいました。

 

このモデルで新たに追加された最新技術というのがこのセミオートマチックトランスミッションのTC-SSTで、オートマチックトランスミッションと同じ感覚で運転することができるマニュアルミッション車ということで発売当時はかなり注目されていました。

 

トルクコンバーター式多段式ATでは実現できないロスの無いダイレクト感とプロのレーシングドライバーよりも早いシフトワークでハイパワーマシンをより一層早く走らせることができたのです。

 

国産車ではこのランサーエボリューションX以外にこのツインクラッチ式のトランスミッションを持つのは日産のGT-Rだけで、まさにスポーツモデルのためのセミオートマチックトランスミッションということになります。

 

しかし、日本において自動車は燃費を削るためにある(だったら、乗らなければいいと思うのですが・・・)と思っているようで燃費を向上させるCVTばかりが使われることが多くなっていることとセミオートマチックという概念が一般の方は理解できないということがあって、それがメリットとは映らないのです。

 

しかし、普段はATのように楽ちん運転ができ、いざというときはマニュアルトランスミッションよりも早いシフトワークで攻めることができるTC-SSTは、まぎれもなく一番すぐれたトランスミッションだと思います。

 

TC-SSTモデルの生産終了の報道が流れてから中古車市場ではマニュアルトランスミッションモデルよりもTC-SSTモデルの需要が増えてきているそうです。

 

人間というのは面白いもので普段いつでも手に入れることができるものにはそっぽを向いて、買えなくなると思うと急に欲しくなるものなのです。

 

まさにそれと同じことが今の中古車市場で起こり始めているようです。